スーパーマン リターンズ

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子供のころ、クリストファー・リーヴのスーパーマンを見た僕としましては、彼以後のスーパーマンはあまり見る気がしなかったのですが…今作のブランドン・ルースがかなり「クリストファー・リーヴっぽい」のが好印象でした。失礼な言い回しかもしれませんが、完全な新人を起用したのはやはりよかった。パンフレットにも「『あ、誰々がスーパーマンをやっている』ではなく『あ、スーパーマンだ』と思われるほうがいい」と監督の思いが書かれていましたが、今後ブランドンを見れば「ああ、スーパーマンの彼か」となるでしょう。

しかし前シリーズへの思い入れがある世代には、ジョン・ウィリアムス作曲の「あの」テーマ曲が冒頭から炸裂し、背筋が震えます(笑)内容的にも前シリーズへのリスペクトが見られ、大事に作ったという感じが非常にいいですねー。監督は「X−MEN」で名を上げたブライアン・シンガーなんですが、「X−MEN/ファイナル・デシジョン」のメガホンを断ってまでこの「リターンズ」を作ったということで、なるほどと思わされるデキとなっております。

以下ネタばれ気味感想↓
スペースシャトルとその母機となるジャンボを救い、ジャンボを抱えながら野球スタジアムへ降り立つスーパーマンの姿は、まさにアメリカンヒーロー!ハリウッド映画鑑賞中は合衆国市民になれる僕としては(笑)最高の演出で、いやもう鳥肌ものですた。冒頭の若いクラークがトウモロコシ畑を疾走し、放物線を描いて大ジャンプする回想シーンから(これも前作のリスペクトかなあ)、彼が普通でないことをイヤと言うほどわからされるのですが、その辺の悲哀やらなんやら含めてベタといえばベタなんですよね。だがそれがいい。ていうかこのシーンも最高!イヤ味はホント感じられず、すんなり見れました。でもこれも前シリーズに思い入れがあるからで、今作から見る人はどう思われるのでしょうか。
ヒロインであるロイスがすでに子持ちでかつ婚約者あり、というところでガーンとなった訳ですが、その辺もその息子がピアノをすっ飛ばして母親を救うシーンで「ああ!そうなの?!」となる仕組み。どど、どうすんだろここ。原作でもまだここまでは踏み込んでなかったんじゃなかったっけー。

しかしスーパーマンがヒーローとなったのは、彼がそういう力を持っていたから、という単純な理由。人を救えるから救う。力を持っているから使う。パンフレットに書かれていた、「だからアメリカ国民は、彼を自らの国に重ね合わせているのでは」という論はなかなか面白かった。